・子供の頃から絵を描くのが好きだったけれど、ずっとできなかった水彩画を今から始めてみたい。
・趣味として絵を描いてみたいけれど、何から始めればいい?
・絵画は学生の時の知識しかない。もっとステップアップしたい!
これは、そんな「今から本格的に水彩画をやってみたい!」という人に向けての
「水彩画のスタートガイド」です。
ぜひ活用して水彩画を楽しんでくださいね!
水彩画を始めてみたいけど、学童絵の具以外使ったことがない・・。
一体何を用意すればいいの?
絵は学生の時以来?ワクワクするね!じゃぁ一緒に準備していこう!
下描き用の文房具
鉛筆 消しゴム
まず下描きをするのに必要なのが鉛筆です。
鉛筆ってどれでもいいんじゃないの?
基本的には何でもいいんだけど・・芯の固さで選ぶといいよ
鉛筆には芯の固さに種類があって、
固いものから柔らかいものまで数段階に分かれています。
固い芯は「H」(ハード)で、柔らかい芯は「B」(ブラック)で表されます。
メーカーによってはこの芯の柔らかさが何段階もあり
Hの数字が大きいほど固く、Bの数字が大きいほど柔らかいです。
突然「F」ってなんですか!!?
「F」はFIRM(ファーム)で、しっかりしたという意味。ちょうどHとBの中間くらいだね。
水彩画を描くときは、後で余計な部分を消しやすいように4B・2B・B・HBあたりの柔らかい芯のものがいいと思います。
おすすめは三菱の「uni(ユニ)」か、ステッドラー「マルス ルモグラフ」。
後にデッサンをしようと思ったときにも、硬度の種類が多いのでこのメーカーで全部揃えられます。
ステッドラーは10H~12Bの全24硬度もあるんだよ
消しゴムは消えやすいものを。TombowのMONOがおすすめです。
練りゴムも全体を柔らかく消すのに便利なので一つ持っておくといいでしょう。
耐水ペン 色鉛筆
下描きができたら、色を塗る前に余計な鉛筆の線を消します。
鉛筆の下描きって消さなきゃダメ?
消さなくてもいいよ。僕は絵具の色をキレイに見せたいから輪郭以外は消すようにしてる。
下描きは消さなくてもいいのですが、鉛筆の鉛が水に溶けて色が濁るのである程度スッキリさせます。
それに便利なのが「耐水性のミリペン」もしくは「油性(耐水性)色鉛筆」。
これらは水に溶けないので水彩絵の具を塗るときに溶けだして滲んだりしません。
色鉛筆だとカラーも仕上がりに合わせて選びやすく、絵の具を塗った後も
下描きが見えにくいです。
難点は鉛筆の先がペンほど細くならないこと。その都度削らないといけないこと。
おススメはファーバーカステル油性色鉛筆。
色はゴールドやシルバー、グレーなどにすると仕上がり時の下描きの線がほとんど気になりません。
水彩色鉛筆だと水に溶けてしまうので注意です。
その代わり、あえてぼかして使うこともできます。
おすすめの耐水ペンはサクラの「ピグマ」。
漫画家さんやイラストレーターさんも使用している人気のペンです。
(海外ではMICRONという名前で販売しています)
08(太)~003(細)までペン先のサイズが違うので好みの太さを選べます。
01だとしっかり線が残り、仕上がりに下描きの線を見せたい場合にもいいですね。
水彩絵の具
メインの画材、水彩絵の具です。
水彩絵の具は乾いた後も水に溶ける性質を持っており、水をコントロールしながら
描いていく画材になります。
日本で人気の水彩絵の具は「ホルベイン」。
一般の方からプロまで幅広く使用されており、初心者にも使いやすい水彩絵の具として有名です。
一番初めは何色セットを買えばいいかな?
あまり多すぎても使わない色が出てきてもったいないから、最初は24色くらいがいいかな
まず「ホルベイン」の24色セットを買っておけば間違いありません。
他に「ウィンザー&ニュートン」や「クサカベ」「シュミンケ」等のメーカーもありますが
まずは「ホルベイン」でOK。
日本のメーカーで絵具の質も良く、価格もリーズナブル。
画材店でも手に入りやすいので、これから始める初心者にピッタリです。
チューブタイプや固形タイプがありますが、チューブタイプのセットを買って別売りのパレットに
詰め替えるのがおすすめです。
オリジナルパレットの作り方はこちら
固形タイプは、スケッチなど外出時に持ち運べるのが便利です。
メーカーによってはチューブタイプより色数が少なかったりするので、
余裕があれば買い足すのでいいと思います。
筆
筆もた~くさん種類があって迷いますよね!
これから始めるのであれば、まだそこまで大きな紙は使わないと思うので
ここでは「F0号(18㎝×14㎝)~ SM(23㎝×16㎝)サイズ」を描く場合に必要な筆を紹介します。
何を基準に選んだらいいかさっぱり分かんない‥(^-^;
だよねw 筆は毛の種類とサイズで選んでいこう!
必要なのはとりあえずこの3本
・丸筆(小)・丸筆(大)・平筆(大)
・平筆 大
平たい形の筆です。風景や静物のバックなどを塗るのに便利です。
柔らかくて水分の含みが良いものだと、たっぷりの絵具を広い面に均一に塗り広げられます。
おススメのサイズ
穂の長さ:1.5㎝~2㎝ 幅:2.5㎝~3㎝
おススメの毛質
羊毛、馬毛 など
・丸筆 大
穂先が丸いスタンダードな形の筆です。
こちらはモチーフの下地を作ったり広い面を塗るのに適しています。
良く水分を含み、穂先にコシがあるものだと描きやすいです。
おススメのサイズ
穂の長さ:2㎝~3㎝ 幅:7㎜~1㎝
おススメの毛質
羊毛、イタチなど
丸筆 小
スタンダードな丸筆の小さいサイズです。
モチーフを描きこんだり、仕上げる時に便利です。
筆先がとがっていてよく小回りが利き、コシのあるものだと
細かい部分も描きやすいです。
おススメのサイズ
穂の長さ:1.5㎝~2㎝ 幅:3㎜~4㎜
おススメの毛質
イタチ 人工毛など
基本的に、羊や馬は柔らかめ、イタチや人工毛は固めと覚えておくといいよ
「人工毛」ってどんなの?
人工毛はナイロンだったり、各メーカーから出している人工繊維のことだよ
ホルベインでは「リセーブル」という、特殊合成繊維毛を使用していますし、
ナムラではEXCLUSIVE SYN SABLE(エクスクルーシブ センスティック セーブル)という
高機能のナイロン繊維を使った筆があります。
天然毛の質感や弾力に似せた繊維で、品質も良く使い勝手も良好です。
選び方は分かったけど・・・
いっぱいありすぎるから、「とりあえずこれ!」っていうの教えて!
メーカー、お値段ともに種類がたくさんあるので選ぶのに困りますよねw
これから始める方におおススメの筆はずばり、こちら。
ホルベイン リセーブル3100H 16号(平筆)
ホルベイン リセーブル3100R 14号(丸筆)
ホルベイン リセーブル3100R 4号(丸筆)
ホルベインの「水彩用リセーブル3100」は、合成繊維と羊毛のブレンドで
水分の含み、コシともにバランスよく使い勝手の良い筆です。
お値段もリーズナブルなので初めに買う本格水彩筆にピッタリです!
もし、風景で空や地面をきれいに均一に塗りたいなら
平筆は、水の含みが良く幅の広い
ナムラ 平筆SD 7号でもいいと思います。
これがあれば静物、風景、人物、とりあえず描けます。
紙のサイズが大きくなればそれに合った筆を買い足していきましょう。
水彩紙
世の中には紙の種類がたくさんあるのですが、水彩画には「水彩紙」と呼ばれるものがおすすめです。
水彩紙は、水を多く使う水彩絵の具のために作られた紙で、発色や吸水性などに優れています。
各メーカーからいろんな種類の水彩紙が出ていて原料やお値段も幅広いです。
紙も何でもいいと思ってたー・・!
もちろん何使っても自由なんだけど、仕上がりが全く違うから色々試してみてよ(^-^
紙の原料はパルプやコットンがあるのですが、紙によって作品の仕上がりが全然違ってきます。
ちなみに値段はパルプが安く、コットンは高いです。
ピンキリでどれを選んだらいいか分かりにくいと思いますが、
初心者ならリーズナブルなパルプの紙でどんどん描いていくのが練習になります。
紙の粗さは「細目」「中目」「粗目」とあって
それぞれ表面の凹凸の具合が違います。
「中目」と言われる中間の紙質が描きやすくて初心者にはおススメです。
おすすめはこのあたり。
マルマン Vif Art 中目
ホルベイン Albireo 中目
ウィンザーアンドニュートン Cotman 中目
ミューズ ホワイトワトソン
上記4つはどれも原料が「パルプ」又は「コットン+パルプ」でお値段はリーズナブルですが
水彩独特のにじみやぼかしもきれいに出来て、描きやすいです。
その他の用具
パレット
チューブタイプの絵具を買った場合、絵具を入れるパレットが必要です。
水彩絵の具は乾いた後も水に溶けるため、あらかじめパレットに流し込んで使用する事が出来ます。
乾いた後はそのまましまっておけるし、使う時はパレットを開けるだけでOKというスグレモノです。
紙パレットに、使う時にその都度出すのはダメなの??
毎回そんな面倒くさい事する? 出してるうちに描く気なくなっちゃうよww
パレットは仕切りが左右に24色ほどあるものがいいでしょう。
プラスチックのもので十分です。
チューブ絵具を買った方はこちらを参考にマイパレットを作りましょう。
水張りグッズ
水彩画は水を多く使うので、紙の厚さによっては塗った後に表面が凸凹してしまい
そのあとが塗りにくい!という状況が発生します。
そんな時のために、あらかじめ「水張り(みずばり)」というものをしておきます。
「水張り」とは、紙全体を濡らして湿らせ、木製パネルに水張りテープで貼り付けること。
しっかり水張りテープで固定すると乾いていくときに紙が引っ張られ、
完全に乾くと表面がピーンとキレイに張った状態になります。
水張りをしておくと、描いている最中も乾くたびに表面が張った状態を保てるので
描きやすくなるのです。
水張りに必要なものはこちら
・木製パネル
・水張りテープ
・刷毛
また、ポストカードなどサイズが小さければ
水をひかずにマスキングテープで貼ってしまっても大丈夫です。
筆洗 雑巾
筆洗と雑巾は絵具を使う時に必要です。
水を入れておく筆洗は、できれば2か所以上に分かれているものが使いやすいです。
絵具を洗うところ、綺麗な水を使えるところ、と分けておくと
描いている途中で綺麗な水でぼかしたい時も便利です。
雑巾は筆の水分を調整するために必須です。
どちらも100均でそろいますね!
(ちなみに右上のは筆置きです。あれば便利です)
準備したところはこんな感じ
水彩画を描く準備を整えた状態がこちらです。
紙はSMサイズ(23㎝×16㎝)でワトソン紙をパネルに水張りしてあります。
わぁ!なんかワクワクしてきた!!
でしょ?次は描くための準備を始めよう!
NEXT: 描くための準備① 水彩パレットを作ろう⇒